ちょいとむつかしい話です。
先日、勤務先の長老先生が、採用されて1年目の同僚の授業について、「ありゃ〜、ダメだねえ」とおっしゃっていました。
詳しく聞いてみたら、「学生全体に話していない。一人がわかったと言ったら、すぐ次に行ってしまう。学生の口から出た発言を流してしまう。集団をひきつけるパワーもテクニックも、ない」とのこと。
具体的には、すべてとても大切なことです。ただ、これらのことは、知識や技術として身につけ、あとづけカバーできるようにも思います。
「本当にいい教師とは、どんな教師だと思うか」。
私はこんな質問を、デビューのきっかけを与えてくださった大学の恩師からされました。そのとき、一言では答えられない。そう思いました。
するとその先生は、「本当にいい教師とは、学生のためなら時間を惜しまない人だよ」と。←さあ〜どんな人でしょう。ちょっと考えてみてから反転ドウゾ。
以来、何かある度にいつもこの言葉がよぎります。
これがこの問いの全てだとは思いません。ただ、その真意にはとても深いものがあって、私はこの言葉をずっと大切にしていきたいと思うのです。そして最近気づいたのです。人相手の仕事なら、何も教師だけに限らないんじゃないかってこと。
この言葉があるかぎり、この仕事をずっと続けていけるような気がします。