とてもメッセージ性の強い作品でした。
友人知人から「絶対観るでしょー」と言われていた映画。ハイ、もちろん観ました。メリル・ストリープよりアン・ハサウェイより、何てったってパトリシア様のファンですから。
身につけるものは必ずしも高ければいいというのではなく、身につける人を輝かせるものこそが本物だと主張する彼女。古いもの、安いものからでさえも、いいものを見つける。一見合わないようなアイテムどうしでも、彼女の手にかかれば最高のスタイリングに早変わり。まさにそれは、魔法使いがシンデレラに舞踏会へ行けるようかける、なな色マジック。この魔法は、SATCを観た人ならお馴染みですよね。
どの女優・俳優より最初に思いついた人材がパトリシアだった」という監督。雑誌などメディアの前評判も手伝って、ファッションが見ものの作品だと思っていました。
ところが、観終わってあらビックリ。なんなのこの感じ。もう2週間以上が経ったけど、これほどまでに余韻をひきずる映画も珍しい。そう、主人公の言動が、まさに今の私そのまんま東。
主人公のアンディは、ジャーナリストになる夢を抱きながらも、大して興味のないファッション誌を扱う出版社に採用される。仕事はそのカリスマ編集長のアシスタント。これでもか、これでもか〜の無理難題を押し付けられ、それでも頑張るアンディ。いつの間にか、仕事にのめり込むようになっていくんだけど、それに比例して友人や恋人との関係がおかしくなってゆく。
そう、そうなんだよーーーー。
複数の企業や学校と契約し、自己管理の世界で生きてる私には、アンディのような直属の上司はいません。上からの「依頼」はあっても「命令」はありません。でも私もふとしたきっかけで日本語教師に「なっちゃった」こと、周囲の人たちに理解してもらえず、何のためにやっているのかと愚痴をこぼしたこと、仕事が楽しくなって無我夢中になったら今度は相方との関係がおかしくなってきたこと、そういうことがいちいち重なるんです。
あろうことか「女性は仕事を奪われるのもたやすい。これが男だったら、こんな風にはならないはず」「なんで女が仕事に夢中になってちゃいけないの?」という台詞を聞いたときにゃ、もう泣いちまおうかと思いました。まさに最近、私が相方に向かって投げつけた一言だったから。色々なことがぐしゃぐしゃになってしまい、ちょうど「あー男になりてぇ」と思っていたところでした。
劇場をあとにしたとき、途端に何かが吹っ切れる音が聞こえました。それ以来、私は、女で、仕事をして、それでいつかは結婚するかもしれないけど、それでもやりたいことは遠慮せずどんどんやらなきゃダメだ!と思っています。
この映画は、女の子だけでなく男性にも観てほしい。そして働く女性が観れば、今の自分に誇りが持てるかもしれない。そういう意味でも、やっぱりSATCに近い、近い。
愚痴こぼす前に、まずやれるところまでやる。目の前にあるものを精一杯好きになってみる。すべては、そこからです。
わかります!
この映画、表向きは確かにオシャレで女性向けの軽やかな作品だけど、仕事と女性の関係について鋭く突いていますね。
カリスマ編集長のメリル・ストリープが
ほぼスッピンになってプライベートな部分を見せたところにググッと来ました。
女性が一線で活躍する=家庭を犠牲にするっていうイメージが日本ではまだまだ強いです。しかも日本社会はそういうしくみになっているような気がするし・・・。
目の前のこと、精一杯好きになってください。というより好きなものを優先してくださいませっ!!
投稿情報: なおっちゃん | 2006年12 月31日 (日) 14:25
>なおっちゃんさん
そう! 私も場面ではあの暴露シーンが一番印象的でした。メリル・ストリープの醸し出す存在感やカリスマ編集長としての威圧感、演技とは思えませんでした。魅せられましたね。
この映画を観てからは、考えが変わりました。というか、ぶれていた自分の芯が修正されたような感じがします。
最後に、ありがたいお言葉、どうもありがとうございます☆
投稿情報: caragh | 2007年1 月 1日 (月) 02:28