江戸東京博物館で行われている、ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展 「江戸の誘惑」を観てきました。
北斎や広重といった、代表的な江戸の浮世絵師たちの作品は、実は版画だけではなく肉筆のものもあります。しかしながらそれらの浮世絵は言うまでもなく一点ものとなるため大変貴重。たいていは当時のお金持ちが絵師に依頼して描かせた、当時としても高価なものだったようです。
アメリカ・ボストン美術館はこの肉筆浮世絵の収蔵数が何万点にも及ぶそうです。しかし、膨大な数のため、作品の調査が進まず、長い間、「幻の浮世絵コレクション」と言われてきました。で、1996年から日本人研究者が現地で調査したところ、肉筆のものが新たに700点近くも見つかったのだそう。
この700のコレクションを中心に約80点の名品を選りすぐり、約100年ぶりに日本へ里帰りした浮世絵たち。たった今描きあげられたかと見まごうほどの 色の鮮やかさ、また芸妓や花魁のまとう着物の柄のお洒落なことといったら! 江戸の色遣いって、現代のそれよりずぅっと味わい深くて、それを見ているだけでも楽しいです。
「江戸の誘惑」で音声ガイドを務めるのは、落語家の柳家花禄さん。やっぱりプロの噺家さんだけあって上手。すーっと耳に入ってきて、とても一人で話していると は思えない声色の使い分けも楽しい。間の取り方も素晴らしく、こんなふうに、授業でも朗読したいなあ、なんて思ったりしました。音声ガイドは500yenで楽しめます。
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