7:00起床。部屋の冷蔵庫(共同)に入れておいた芒果♪ひとつをキッチンで切る。とっても大きくて、甘くて、し・あ・わ・せ〜。上の階のテラスで頬張る。すでに暑いけれど、体力がつく感じ。明日までに食べきれるのかな?というくらい贅沢な量。
今日は九份という台北屈指の観光地へ行く。ここへ行くのに外せない基隆という街への行き方がいまいちよくわからず、ホステルで日本人の女の子に会ったので聞いてみたが彼女もわからないと言う。
8:00にホステルを出て、歩いて台北駅へ向かう。今日も暑くなりそう。駅に向かうとき、江川紹子風の女性に道を尋ねる。そうやって辿り着いた駅の中でもまた迷い、観光案内所へ。いかにも国鉄という、スケールの大きなホールに切符売り場があり、そこで何とか基隆までの切符が買えた。(片道3?NT、往復で78NT) 8:43の電車だと教えられた。再び案内所で4番ホームであることを確認。
電車は5分ほど遅れて到着。となりの松山というところまで人が多く、通勤電車並みに込んでいたが9割近くの乗客が降りていき、急に旅の気分に誘われた。
(停車駅:台北→松山→南港→汐止→五堵→七堵→八堵→三坑→基隆)
基隆駅から九分まではバス。乗り場を確認し、乗ろうと思ったら小銭がなく、そのバスをやりすごして峰蜜紅茶(はちみつアイスティー)を手押し車のおじさんから買ってお金をくずした。
15分後にやってきたバスにやられた。行き先は「九分」とあるのに、それらしくないところで運転手が「降りろ」と言うのだ。なんと九分までは行かず、ここから乗り換えなければならないとのこと。もうお金も入れてしまったのに!あれこれ言いたくても、言えないもどかしさ。ここであーだこーだ言ってもお金を返してくれそうな感じでもなく、時間が勿体なかったので諦める。そのとき、同乗していた一家が私を哀れに思ったようだ。(これが本当の「同情」?) 「九分まで行くの?」「はい」。
たったこれだけの会話だったけれど、おばさんがニッコリほほ笑んでくれ、「私たちも九分へ行くから、一緒に行きましょう」ということを目で語ってくれた。彼らは何も言わなかった。でも、窓から見えた青い海を指差して笑いながら私のほうを見てくれたとき、一家の優しさを感じた。お金のことでは嫌な目に遭ったと思ったが、良い思い出。
一家について瑞芬というところまで行き、バスを乗り換える。そばのスーパーで水を買って店を出たところにバスが。ギリギリセーフ!九分までの乗車賃は20NT。結局、台北から電車50分、バス50分でやっと九分へ。上り坂の山あいから時折見える海は本当にきれいで、何度も写真を撮った。
九分は、映画「非情城市」の舞台になったところ。また、近くの金爪石というところには炭坑博物館がありおすすめと聞いていたので、時間が許せば行ってみよう。
とにかく腹ごしらえ。何を食べようかな、何があるのかな、と思っていたところ、不思議なものを見つける。
【肉圓】
透明の水まんじゅうのような様子のそれは、蒸し器に入れ火を通すともちもちとした肉饅頭になる。これが意外に美味しく、暑い中はふはふ言って食べる。聞けば、九分名物なのだそう。
登っては下り、登っては下り…のくり返しで、意味もなく「今見えているところの一番先」まで行ってみたくなった。1人だし、誰に気を遣う必要もないし、気ままに歩き始めるも、暑くて死にそうになった。もともと汗をかかないタイプの私が、一生でもこんなにかかないのではというぐらい、すごいことになっていた。あえて薄手のシャツを着てきたのだけど、罰ゲームで上から水をかけられたの?というくらいびしょびしょ。スーパーで買った飲み水も半分になって、やたらには飲めない。途中に見つけた手洗い場の蛇口をひねり、空になったペットボトルにたっぷり汲んで一気に頭から浴びる。(女、捨ててます…) これがものすごく気持ちが良くて、命の危機を脱する。
30分も歩くともうほとんど乾いていた。
バス乗り場まで戻ったのが午後2時ごろ。金爪石にも行ってみようと思い立つ。バスの乗車賃は15NT、時間も10分ぐらい。
【金爪石】
「金爪石の博物館ではトロッコに乗れて楽しいそうですよ」なんて話を聞いていたのだけど、ここは昔金山だったそうで、日本統治時代、現地の方々が強制労働させられたという悲しい土地だった。博物館ではそのことが物々しく、そしてシンプルに語られていて、涙が出てきた。楽しいところではなかった。でも、来て正解だった。
博物館を後にし、もう少し歩いてみようかという気になった。ずーっと歩いていると、道がカーブして振り返ると後方にさっきの博物館が見える。その先にお寺があった。30分くらいだろうか、さらに進むと、遠くに入り江を臨むとてもきれいな場所に出た。しばし休憩、じっと眺める。
その後、博物館方面へ、来た道を戻る。近くにはTeapot mountain (茶釜山)と名付けられた、まさに土瓶そっくりの頂きの山が。今度来たら絶対あの山に登ろうと思う。
戻る途中、山の上に立つ石の鳥居に目がとまった。そこから下りてくる人もけっこういる。ここから600m登ったところに何かあるようだ。けっこう遠い…でも、せっかく来たんだから、とフラフラになりながら崩れかけた石段を一段一段上っていく。一番上には、昔の人が建てた神社の跡があった。もう原型をとどめてはいないが、当時の人の思いが偲ばれる。
下りるときは足がガクガクで大変だった。もう4:50。急いで「三毛次郎の家」などをまわって5:00すぎのバスで来たときと同じルートで台北へ。
【士林観光夜市】
そのまま7:30に劍潭駅すぐの台北最大の夜市である士林観光夜市へ。
牡蠣を入れて焼いた台湾風オムレツ、「蠣阿煎 (オーアージェン)」はまたこんど!
この夜市は全天候型、9割が飲食店だったように思う。
吉祥なんとか、という有り難い名前のついたフルーツもりもりの冰 (またかい!)とワンタンをいただく。
どどーん。
じゃーん。
あつあつ〜。
疲れたのと、今日の予算が尽きたのとで帰宅。ホステルで、残しておいた芒果を剥いて、おばちゃんや女の子に分けてあげた。ロビーで、蘇さんという韓国人の男の子に出会う。はじめ、お互いの素性がわからず中国語で話していたが、よくよく聞いたら日本に住んでいて慶応大学に留学しているのだそう。面白かった!
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