今日は思いのほか暑く、途中で「ここはわたしの好きなドリンクのお店です」と、Tienちゃんがジューススタンドに立ち寄ってくれた。当然メニューは漢字なのだけど、「柑橘」とか、なんとなーく入っているものがわかる。「珍珠」とあればタピオカだね。
【神農街】
このあたりは「かわいい台南」を象徴していると思っていた。この地区については『an an 週末台湾』という特集号で知った。
バイクで移動してみるとわかるが、駅からはけっこう距離があって、案内してもらったこと、本当にありがたかった。
そしてこれはすごく感じたことだが、いかに自分が訪台前に雑誌などのメディアで勝手なイメージを作ってしまっているか、来てみると嫌というほどわかる。ここは雑貨屋や、ケーキ屋やカフェなんかがあるにはあるけど、「日本のかわいい街」とはやや異なる。やっぱりどこか、異国情緒が。それでも統治時代の雰囲気もまた残っており、駄菓子屋のようなお店(実際に駄菓子を売っているというより、駄菓子屋さんの雰囲気に近い店舗)が多い。それに、きっと昔からある家具の工房も。
わたしが一番気に入ったのは、この路地の狭さ。そしてその路地に咲く南国の花の紅色のみずみずしさ。石榴の実が重そうに下がっていること。こういうのは、わたしがどんなに頑張って言葉を紡いでも、どんなに良いカメラで写真を撮っても伝わらないのだ。来た人にしかわからない。だから、やっぱり来てよかった。
ここは夜になると電飾の灯りがついてかわいらしい感じになるとのこと。ああでも、今夜は高雄に行かなきゃ!またいつか来たいね。
奥にあるお寺で、二人お参り。赤桃色のお線香が異国情緒をかき立てる。
【味一品の碗粿、金徳春捲の春捲】
そのあとお昼ご飯を食べに市場へ。聞くところによると、台南は、街全体が台湾指折りの「グルメタウン」だそう。数ある台湾本の中でも台南に特化したものというと「美食」関係のものが多いし、実際「台南に行ったよ」というと「何食べたの?」と聞かれるほどだ。
Tien号(バイクです 笑)で向かったのは國華街の市場。ここでTienちゃんおすすめの「春捲」という食べ物のお店に立ち寄る。鉄板の上で固めに焼いたクレープのような生地に具を載せて、くるりと春巻きのように包んだもの。それを持って今度は台南名物、「碗粿」のお店、味一品へ。ここはテレビでも紹介されたのか、賑わっていた。いただいたのはQQ*な、お醤油風味の茶碗蒸し。弾力があって、初めて食べる味だけど美味しかった。真ん中に十文字の切込みを入れ、竹べらでいただく。ローカルな風情が何とも言えず楽しく、心地よかった。
QQ(キュウキュウ)…台湾で「もちもち、ぷるぷるを表す表現で、人気の食感)
【林百貨】
ほかにどこへ行こうか?まだ時間あるよ~とTienちゃんが言うので、提案してくれた林百貨に向かう。
台湾に来る直前、youtubeで見て頭の片隅に残っていた、統治時代の建物をそのまま生かした複合ショップ。
この数年、台湾は「文創」(文化創意)というムーブメントが国家プロジェクトレベルで盛んであり、とにかくデザイン性の高いものが一気に増えた。林百貨はただのデパートではなく、上司のおみやげにしても恥かしくないようなおしゃれ雑貨や日用品がいっぱい。(当然お値段もなかなかのもので、アジアン雑貨屋の買い付けをしにくるような雰囲気とは異なる)デパート版てづくり市と言えば伝わるかな。
同じようにモノを作って販売をしているわたしだけど、面白いと思ったのは、製品ではなかった。
階から階へ伝わる古いエレベーター、階段の壁面にはめられた丸い飾りや、踊り場の調度品、そして屋上にある神社や戦争のときに残された弾痕。トイレの窓枠に至るまで、隅々見てまわった。古いものに手を当てると、なんだか当時の人々と会話できるような気がする。10,000元のおしゃれなおみやげを見るよりはるかに、そちらのほうが楽しかった。
人気のここは古い建物であるため、一度に多くの人を入れられない。そのため入場制限をしているので、時間がない人、サッと見たいという人は時間に注意。
【孔子廟】
「まだ時間がありますね~」とのことで最後に向かったのは孔子廟。
孔子さまは中華圏で、学問の神様として祀られている。ゲストハウス「はむ家」の動画で観たことがあり、すごく台湾らしい感じがして気になっていたところだったので「ぜひ連れていってください」とお願いした。
Tienちゃんは台南市民なので入場料は無料。わたしは●●元。中に入ってみるとかなり広い。どこか公園のような雰囲気も。壁の朱色がいい感じに色褪せて、草木の緑色によくマッチしていた。
Tienちゃんは日本語能力試験、わたしもHSKを12月に控えているので合格祈願をした。
Tienちゃんは「わたしはいつでも来られるから、たけちゃん、中を見てください」と促し、自分はスマホでわたしのために高雄行きの電車の時間や凱旋駅から夢時代ショッピングセンターまでの行き方などを丹念に調べてくれた。申し訳ないなと思いながらも、ここは甘えてお願いすることにした。(こういうとき、wi-fiがあれば…!)
最後にTienちゃんは茶湯會という春水堂の姉妹店だというドリンク屋さんに寄って、ここでイチオシだという鐵觀音拿鐵(鉄観音ラテ)を買ってくれた。
16:00に台南駅に到着。表口を初めて見た。南国の植物の向こうにきらっと輝く白い壁。台南ってステキなところだ。半日もいられないのがもう惜しくて惜しくて。日本統治時代の面影が残る駅舎。
Tienちゃんと、最後に記念写真を撮ってその味わい深い駅舎内へ。「また来てくださいよ!」と言う彼女。うん、また来るよ、絶対に。どうか元気でね、いろいろありがとうね。
電車は16:17の自強号、いわゆる「特急」だ。切符の買い方がわからなくて、近くにいた男性に聞いたが彼もわからず、2人してかなり慌てたもののなんとか購入。ここから気を引き締めて行かなければ。
目指すは高雄 夢時代購物中心、待ちに待ったロックバンド「五月天」、怪獸のサイン会へ!
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