はじめて観たのは、確か高校生のころだったと思う。クラスに馴染めなくて、おこづかいで映画ばかり観ていたころ。なぜ知ったのかとか、そんなことはどうでも良くなった。
始まってものの数分、2人の姉妹が存在するということ以外にこの映画をどう形容したらいいのかわからなくなった。わたしは惹き込まれて、ズタズタにされて(そう、あの画面と同じように!)それまで知っていた「映画」の概念がぶっ壊された。映画の中の男たちだけでなく、自分さえもが騙され、終わったときにはもう、2人の姉妹が何だったのかさえもわからなくなり…。
そしてその、あまりに唐突な「ワケノワカラナサ」が、時を隔てて今もなおずぅっと続いている。
わたしが60'sを好きになったきっかけ。詩を書き始めたきっかけ。日本語教師になったのも、もとを正せばこの映画の存在があったから。この映画がなかったら、ぜったいに今のわたしはいない。
今日ちょうど、「ひなぎく」の話をしていたとき、リバイバル上映されていることを知った。何たる偶然!いや、必然か。そんなことはどうでも良いんだけど。
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