漫画家、江戸文化研究家、NHK「お江戸でござる」の解説者、一時だけど荒俣宏の妻、飲ん兵衛、蕎麦好き…いろいろな顔を持つ、杉浦日向子。彼女の本 (漫画以外の) を初めて読んだ。
イマドキの、無理してむつかしい言葉を散りばめたタイプの書とは対極にあって、どんなに脳味噌が疲れていてもすうっと頭に入る。面白く高尚。あぁ、この人はきっと、ちーとも飾らない人だったんだろう。嫌いなことは絶対やらないタイプ。で、自分に降りかかった悪い出来事も何も、なんだかんだ結果的には全部受け入れちゃうんだろう。つまりは良い意味でいい加減。
酒についてのエッセイは特に面白くて、同じく酒好きである私もつい「そうそう、そういうことってあんだよね」と笑って頷かずにはいられなかった。一部には彼女の愛用の酒器が、12か月分に分けて載せられている。こうやって好きなものにまつわる何かを、バッと集めてしまうところとか、好きなことを繰り返して日々を重ねていく生き方。純粋に、いいナァと思いました。「粋」ってこの人のことなんだ。どうぞ安らかに。
『隠居の日向ぼっこ』は、彼女がこだわる「もの」のエッセイ。ゆたんぽ、てぬぐい、踏み台など、どこの家にもあった懐かしい物々が語られます。
今注目は『4時のオヤツ』。文字通り、おやつの本。その表紙と、内容 -ちょっと読んだだけで、すぐ惹き込まれた!- のどちらも好み。ちゃんと時間をかけて、ゆっくり読みたい。
杉浦日向子さん、名前だけは知っていたけれど読んだことがなくて、caraghさんのこの記事を読んでたら興味が湧いてきたので早速図書館で借りてきました!簡潔な文章で、結構好みです。ってんで、さっそくTBもさせてもらっちゃいましたーン☆
投稿情報: paraplu | 2006年8 月22日 (火) 13:33
>parapluさん
TBありがとうございます☆
日向子本、色んな部分でツボです。小説仕立ての『4時のオヤツ』、『ごくらくちんみ』はどちらも巻末にお取りよせ一覧がついていて楽しいです。食指が動きまくり。パパっと読めるのも魅力。
投稿情報: caragh | 2006年8 月22日 (火) 16:20