旅先のオランダでのこと。列車の中で日本人の男の子を見かけました。なぜわかったか というと、彼が手にしていたガイドブックが、日本のものだったから。小口が青く塗られているので、遠くからでもわかります。本人にその気はなくとも「私は日本人です」とステッカーをつけて自ら晒しているようなものです。たまにボラれそうになるのは、現地の人にいきなり「コニチワ」と声をかけられるのは…「そうか、きっと地元の人たちもこれで見分けているに違いない!」そう悟りました。
いろいろ読みましたが、旅の友として選定させてもらったのが、アメリカの『Lonely Planet』シリーズ。個人旅行をするなら、絶対ゼッタイおすすめです。とりあえずこれを持っていれば一目で日本人だと見破られることもなく、旅慣れた人だと思われるでしょう。
何といってもその情報量。著者はその国に詳しい旅人を中心に(名前も顔写真も経歴も出ている)、実際に自分たちの 目・耳・舌で確かめた読者からの情報のみで構成されているので、いいところはいい、悪いところは悪いと、素直なコメントばかり。写真はあまりついていません。確かに、日本のガイドブックは写真が豊富です。でも旅の達人、山下マヌー氏は『Travel Handbook (セイシュン海外トラベル術)』の中でこうコメント。
単なるお店紹介の羅列に過ぎないガイドブック片手に「あった、あった」と喜ぶのが真の旅行と言えるのか? "ガイドブック確認作業"のためにわざわざ海外に出かけるようなものではないか。(中略) そもそも、ガイドブックは低予算でつくられるため、取材先で「本に載せますからタダで」と言って食事を出してもらう。(中略) そうやって取材した店やホテルを悪く書けるわけがないのだ。(中略) 有効なのが、どういう人が書いたのかがわかる外国のガイドブック。(ロンリープラネットは) 各地域の旅の達人達によって書かれた内容が、世界中で支持されている。「からみなし」の店やホテル、激安情報など、ディープな情報が盛りだくさん。
次に大事なのが、地図が正確であるということ。(某書は『地球の迷い方』なんて呼ばれているほど地図は不正確)。超に激がつくほどの方向音痴の私でも、この地図で道に 迷ったことがありません。アクセス方法も詳しく、どんな孤島へも行けちゃいそう。
宿は激安ホステルから5つ星ホテルまで網羅。日本のガイドブックに載っているところにいくと日本人ばかりですが、この本に載っ ている宿に行けば日本人遭遇率がぐんと減ります。(日本人に会いたければ、載っている中で一番大きいor高い宿に泊まりましょう)。ゲイ&レズビ アンのための宿やコミュニティー情報、その国でのマナーもあります。書き方もジョークが混じっていたり、面白い!
もちろん、中は英語です。でも店の名前、営業時間くらいがわかればいいのですから尻込みは無用。助かるのは、現地で道に迷ったとき。日本語の地図を見せても相手の人は「???」、でも英語 (現地語併記) のこの本を見せれば大抵の人はわかってくれます。それに出会った旅人とも情報を共有できるので「じゃあ一緒に行こうか」なんてことも。何より本気で読めば英語の勉強に (そんなわけで、『Lonely Planet日本語版』もあまり意味がありません)。
ご参考までに、台湾にある「故宮博物院」についての記事を比べてみました。
世界4大博物館のひとつ故宮博物院。中国歴代皇帝が収蔵したコレクションをもとに、65万点もの収蔵品を誇る中国 文化の殿堂。宋から元、明、清代までの貴重なコレクションが堪能できる。常設展示だけでも6000点ある。「三希堂」は、北京の故宮にある三希堂から名前 をとった喫茶店。中国茶や点心、コーヒーなどもある。営:10:00-17:00
(日本のガイドブックより)
もし台北でこれは絶対! という場所を挙げるなら、故宮博物院だろう。中国美術の最高傑作がここに揃っている。その莫大なコレクションから選別されたものがローテーション式に展示されるので、行くた びに新たな発見があると言ってもいい。下記のものは常設である。…(常設展示品の説明が続く) 博物館1階にある、世界史と中国美術史を併記した年表を見ても面白い。(中 略) 故宮博物院は10時と15時の2回に分けて無料の英語ガイドツアーを行っている。ツアーの内容はガイドによって多岐にわたるが、すべて館内全体を案内して くれるものである。自由に動きたければNT200でヘッドフォンガイドもある。博物院では4階の「三希堂」という喫茶室 (餃子と軽食NT50-75)を代表に食事もできる。ミカン、すももの花、パイナップルの種が入ったお茶(NT120) か、台湾烏龍茶 (NT100、渋いので薄めてもらって! ) を。ここで大パノラマを目の当たりにすることができる。…(『Lonely Planet Taiwan』より 原文:英語)
この後、故宮内のほかのレストラン情報やミュージアムショップ、その他の付属施設や故宮に関するコラムなどが延々と続く。
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おひさしぶりにコメント。相変わらずこっそり読み逃げしてました(スマーン)!!そうそう、『LonelyPlanet』って結構使えるよね~。ウチのダンナは『LonelyPlanetJapan』を携えて日本にやってきたよ(笑)。国内旅行のときはいつも参考にしてます。
投稿情報: paraplu | 2006年5 月31日 (水) 20:43
>parapluさん
おしさしぶりー。いつもありがとうございます!! 私も『LonelyPlanetJapan』持ってます。外国の視点から見た日本ってのがどうしても気になって。
とにかく旅先ではむこうの人は必携って勢いでみんな持ってますよね〜。ミシェルどんが日本に来て、一番驚いたことって何でしょう?
投稿情報: caragh | 2006年6 月 2日 (金) 00:01