美一(メイ イー)という女の子とは、J&T交流サイトで知り合った。台湾の子はLINEやFBをみんなやっているが、彼女はInstagramやTwitterもやっていてかなりソーシャルネットワークを使いこなしている感じだった。猫が好き、アート&クラフトが好きということで会う前から何となく意気投合しそうな気がした。年齢はかなり離れているのだけど、あまりそれを感じなかった。
占い館から目指すは台北駅。荷物は重いけど急がなきゃ。地下鉄は5分に1本ぐらいの頻度で来るようだ。台北駅で降りてプリントアウトしてきた地図と、構内にある地図を見比べる。キーワードは「市民大道」と「華陰街」。頭上や壁面をよくよく見ながらその文字を探す。と、「京站」(Q square)という、どうやら商業施設の中を通ることになった。そこから地上に出たら目の前の通りが「華陰街」だった。台北の地下鉄駅から3分ぐらいかな?駅の裏の裏に相当する。
そのまま華陰街に沿って歩いてみるも…あれ?ない!宿がない…!おかしいな、行きすぎだよね?ああ、焦る。とりあえず来た道を引返してみると…バイクが並んだ少し奥にそれらしきものを発見!!
ガラス張りの入口。中はサイトで見ていた黄色の壁。間違いない!着いた!!
「まずはピンポンを押してね」と書いてあるブザーを押してみる。すぐにスタッフの女の子が来てくれて、「Oh, are you Japanese?」と、自分たちは英語と中文はできるけど日本語はできなくて…と気まずそう。なので「大丈夫!英語もできるし中文も聞いたらわかるよ!」というと、「OK! よかった! もうチェックインするよね?じゃあ荷物そこに置いてこっちへどうぞ」とカウンターに案内してくれた。
「24日に台北に戻ってきてまた一晩お世話になりたい」旨伝えると、「料金はじゃあ、今払っておく?」と言われ、この場で済ませることができた。そのあと、名前は忘れてしまったが、小柄で聡明な感じの女の子が「この宿を案内するね!」といって、建物への入り方(鍵の使い方)、キッチン、交流スペース、洗濯場、シャワー&トイレ、部屋…と急ぎ足で全て廻ってくれた。早朝のチェックアウトは鍵をポストに入れればいいだけで、キッチンには10元(35円)でいただけるコーヒーマシンがあり、冷蔵庫はもちろん食器も完備、さらには「Free Food」のコーナーもあり、気ままな旅人を喜ばせた。何よりきれいでおしゃれなのに、1泊600元とは。台湾人もびっくりだよ。
部屋に入っても一段落する間もない。とにかく美一に連絡をしなければ。すると「私ちょっと遅くなるよ」の文字。おお、よかった。
待ち合わせ場所は「台北之家」。台北駅からひとつ離れた中山駅から徒歩5分ほどという。
この施設はかつてアメリカ領事館だった洋館を、かの有名な映画監督侯孝賢(ホウ・シャオシェン)がサロンとして改築した場所で、中には映画館やカフェ、デザイン雑貨店のエリアに分かれている。
結果的にすでに10分以上遅れており、挙動不審姿勢で入口を探してカフェにまわる。門から中に入ってもいくつか建物が分かれている。お店の名前なんだっけ…とりあえず「何名様ですか?」と聞いてきた男性に、しどろもどろになりながらも「あの、あの、友達が今ここでわたしを待ちます」と告げた。彼は中文しかできないのであろう、「日本人だ」と別のスタッフに引き継がれた。彼は英語で「May I help you?」と言ってきた。わたしが英文スイッチに切り替えようとしたそのとき、テラスのほうから「ちひろぉ~!ち・ひ・ろぉ~!」と駆け上がってくる子が目に入った。
あ!!
いつもLINEやFBで見ていた顔。どうにか会えたことにまず安堵。「こっちこっち!」と外の席に座る。
「はじめまして~」と挨拶して今日の様子をざっと話し、「なに飲む?」と2人でメニューを覗き込む。
初めて会ったのに初めてじゃない、なんだろうね、この不思議な空気!そのあとお土産を渡す。もともと買ってきてと頼まれていたもののほか、わたしがあげたいと思ったものも。
彼女については、プライベートなことはほとんど知らなかったので、この場になって初めてどんな仕事をしているのかとか、そんな話もした。そして約束どおり、ビールで乾杯!注文したライチビールは160元だった。(590円…日本と変わらない…汗)手描きの飾りをいただいたよ。台湾に来る前のある日、「どれが好き?」ってLINEで写真が送られてきたけど、そういうことだったのね♪
その後夜市に行ってみようか?となり、剣潭駅まで地下鉄で行く。途中「わたしここに住んでるんだ」と、大飯店で有名な駅にさしかかったとき彼女は言った。生粋の台北っ子なんだね。ふむふむ。
剣潭駅には確か行ったことがあるはずだ。だけど、何かが違っていた。駅もそうだし、降りてからも何か違う。照明が妙に明るいのだ。
士林夜市のこの感じはすごく懐かしい。日本の夏祭りのようでもあるし、原宿竹下通りに近い雰囲気もある。でも同時に、その慣れた場所とは異なる感じも。それは八角のにおいや、あちこちに飛び交う中文、そしてそのリズム、得体の知れない食品、謎めいた日本語、何より台湾独特のえも言われぬディープな空気、それらから来ているのだった。
夏服を買いたかったのだが、どのお店もあるのはホワホワした飾りのついた薄手のセーターやツイード風のジャケットなど、いわゆる「冬物衣料」ばかり。いくつか廻ってついに発見。Tシャツとちょっとおしゃれ目の白いのを400元で購入。
帰宅するともう0時近く。FBを更新してシャワーを浴び、コーヒーを飲んで寝る。
明日は早起きして台南だ!!
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