いつも歩く道を、今日もてくてくと歩いていると、ちいさなお店が目に入りました。
構えは完全に「やねせん」ならではなのです。はじめは、着物屋さんかと思いました。でも暖簾の奥から感じられるのはヨーロッパの風。魅惑的とは、こういうことを言うのでしょう。中に入ってみることにしました。
ほの暗いなか、取り付けられたステンドグラスから差し込む可愛らしい光。昔ながらのランプ。畳、ちゃぶ台。そしてそこに並べられた、べったりとした赤桃色に、薫るような芥子色、コバルト、煉瓦色…踊るようにカラフルな花模様の生地たち。吸い込まれるかのように、目が釘付けになりました。
お店の中には、カウンターがあったのですが、あれれ、誰もいない??…っと、その陰から男の人がぬーっと現れたのです。
「わーっ!!」
「きゃー」
…お互いの存在に気付かなかった私もその人も、声を上げて驚いてしまいました。それがもう、可笑しくておかしくて、「すみません」と言いながら、笑ってしまいました。でも、そんなきっかけでお店の方が色々お話してくださいました。
店長さんであるその方が着ていたシャツには、ザビエルのプリントが。「おもしろいデザインですね」なんていうところから話が弾んで、それはもう楽しかったです。「キリスト教が禁止されていた時代に、もし禁止されていなかったら…」というのが店内のイメージなんだそう。衣類はベトナムの生地を使っているんだそうです。ベトナムと言えば、かつてはフランスの植民地だったところ。西洋と東洋の双方の味わいが、うまく生地に溶け込んでいて、お店のコンセプトにもぴったりです。
ほかにも、生活雑貨などもあり、男性も女性も楽しめる空間でした。何より、店長さんが本当に良い方でした。「今日は雨で閑古鳥だから」などとおっしゃって、谷中のことなど、たくさんお話いただきました。
谷中バテレン商會
東京都台東区上野桜木町2-14-2 ビラ桜木1F
12:00〜18:00(月&火定休)
www.bateren.com
Special Thanks to Yanaka Bateren Shokai.
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