旅が好きです。
あえて、いつも一人旅です。あてどもなく歩くのが、好きなのです。
オランダ、中国、ベルギー、台湾、デンマーク、イギリス、アイルランド、ハワイ、カナダ、ドイツ、ロシア…。
1回で飽き足らず、季節を変えて2回行ったところもあります。
アイルランドは大好きで、3回行っています。あの素朴さ。居酒屋に行くと、絵に描いたような白いおひげ、真っ赤なほっぺのおじいちゃんが黒いビール飲んでいます。
アイルランドは妖精がいる国。あるとき案内してくれたおじさんに冗談半分で「妖精を見たことある? 」と聞いたら、「お前はないのか? 」と真顔で聞かれました。「Cork(地名)に行きゃ、うじゃうじゃいるよ! 」って言ってたな。その後妖精は、たぶん見ていないのですが、アイルランドには「妖精が通ります 注意! 」という交通標識もあるんです。(司馬遼太郎『街道を行く』参照)
オランダのAnnaというホステルは、壁が本当にカラフルで。名前もかわいくて気に入って、ずっとそこに泊まっていたいと思いました。
出国予定の日にちょうどゴッホ&ゴーギャンの展示をやっているのを知って、滞在を1日延長しました。そのときミュージアムまでの道すがら見つけたガラスのお店で、ねこのガラス細工を買いました。
カナダには、第二の故郷と呼びたくなるほどの思い出が。
ジェニファーという、ボーイッシュなのにセクシーな女の子と仲良くなって、文通もしました。2回目に訪れたとき、ジェニファーはお母さんに内緒でタバコを吸い始めていたのです。それがわたしが彼女と会っていたとき偶然ばれてしまって…。でもお母さんが「OK, OK. あなたはもう大人なんだから、好きにしていいのよ」なんて言ってて、目を丸くしていた彼女の顔が忘れられません。
中国は東北がおもしろい。冬は−37℃なんていうときもありました。濡らしたタオルをぶんぶん振り回して凍らせて遊びました。約2年住んでいましたから、ある意味、故郷ですね。良い面、悪い面、たくさん知っています。食べ慣れない味だと思ったらロバの餃子だったり、買い物のときおつりがないので代わりに飴玉でもらったり。楽しかったです。でもつらい思いもあって、わたしにとっては複雑な国。オリンピックを終えた今、近代化してしまったのがちょっぴり残念。
台湾では夜市を満喫。得体の知れない食べ物にもかなり挑戦しました。
あるとき道に迷い入り込んだ用品店で道を尋ねました。素敵なお店だったので母さんにあげるおみやげを買っていこうと思いました。そのうちにお店のおばさんと仲良くなり、いろいろおしゃべりしているうちに、疑問に思いはじめたことを聞いてみることにしました。こんなこと聞いて気を悪くなさらないでくださいね、どうしても気になることがあって…という前置きで「昔日本は台湾を占領していたのに、日本人に対して優しい人が多いのはどうして? 」と。そんなストレートな質問に対しおばさんはこう答えてくれました。「確かに、そんな時代もあった。でもそれでも、それを超えるようないいこともあったのよ。いつの時代もそういうものよ。」と。
ロシアは実は、14時間だけの滞在。そこで見つけたポストカードの美しさと言ったら…。わたし、あんなに素敵な教会をほかに見たことがありませんでした。想像の域を超えた美しさで、絶対いつかまたこの国へ来ようと思いました。
ロシアのおばさんやおじさんって、欧米と違って目が合ってもあまり笑ってくれないのです。初めは正直、怖いと思いました。買い物のたびにどきどきしました。でも思い切って「ロシア語で『ありがとう』ってなんて言うの? 」とレジのおばさんに聞いてみると、どうでしょう。突然輝かんばかりの笑顔で「スパシーヴァ」と返してくれたのです。「すぱしーば? 」「いいや、『スパシーヴァ』だよ」なんてやりとりが生まれて、3つぐらいの挨拶を教えてもらいました。
今度行く国には、どんな人がいて、どんなことが待ち構えているかなぁ…。
Special thanks to Y.O.
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